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【福岡市 城南区】バリアフリー住宅における段差解消とその技術的アプローチ

目次

はじめに|バリアフリー住宅における段差解消の重要性

住宅のバリアフリー化において最も基本であり、かつ重要な取り組みが「段差の解消」です。特に高齢者や障がいを持つ方にとって、数センチの段差でもつまずきや転倒につながる大きなリスクになります。福岡市城南区は坂道や高低差のある地形が多く、敷地の形状によっては外構や玄関の段差が生じやすい傾向にあります。そのため、バリアフリー住宅を計画する際には、屋内外の段差をどう克服するかが設計の大きなテーマとなります。本記事では、住宅における段差の発生要因とその解消方法、さらに技術的なアプローチや製品選定のポイントまでを、城南区の地域特性に合わせて詳しくご紹介します。

段差が生まれる住宅内外の代表的な場所とは

段差が生じやすい場所は、住宅の構造や設計により様々ですが、代表的なのは以下のような箇所です。まず玄関の上がり框(かまち)。これは外部から室内に入る際の段差で、伝統的な日本家屋では20〜30cm程度の高さが一般的でした。次に、浴室・洗面脱衣所との境界や、和室と洋室の間にある敷居の段差も典型的です。また、屋外ではアプローチやポーチ、勝手口まわりでの段差、敷地の高低差による階段なども多く見られます。これらの段差は日常的に通る場所であるため、いかにスムーズに、かつ安全に移動できるように整備するかがバリアフリー設計の出発点になります。

室内における段差の種類と解消法

室内で発生する段差には、大きく分けて「機能的な段差」と「意図しない構造的段差」の2種類があります。前者は、防水や気密の観点から浴室に設けられる段差などで、後者は建築時の施工都合や床材の厚みによって生じるものです。これらを解消する方法として、まず有効なのが「フラットフロア」の採用です。部屋ごとの床の高さを揃え、敷居をなくすことで、歩行や車椅子の移動がスムーズになります。また、床材の厚さを統一したり、下地で調整したりすることで、自然な段差解消が可能です。浴室ではユニットバスを採用し、洗面脱衣室との境界もスロープ状にするなど、段差の“なだらかな化”が効果を発揮します。

屋外(玄関・アプローチ・外構)における段差対策

屋外における段差対策は、城南区のような斜面地が多いエリアでは特に重要です。もっとも一般的なのは「スロープの設置」で、勾配は原則として1/12〜1/15程度が目安です。例えば30cmの段差がある場合、最低でも360〜450cmの奥行きが必要になるため、敷地に余裕があるかどうかがポイントになります。敷地が狭い場合には、踊り場を設けたり、ジグザグの折り返しスロープにするなどの工夫が有効です。また、玄関ポーチには「式台」と呼ばれる段差緩和用の踏み台を設置する方法もあります。素材は滑りにくく、耐候性のあるタイルやノンスリップ仕上げを選ぶことで、安全性が向上します。外構では植栽やデザインに工夫を凝らし、自然な形でスロープを溶け込ませる設計も人気です。

床レベル調整・スロープ設置などの技術的工夫

段差を解消するには、単に「高さを揃える」だけでなく、現場ごとの状況に応じた技術的アプローチが求められます。室内の床レベル調整では、部分的に床下地を上げ下げする工法が有効です。また、和室を洋室に変更する際には畳厚を床材厚に合わせて段差を解消する工夫もあります。スロープ設置では、住宅内部においても浴室や玄関、ベランダなどでの段差に対して使われますが、木製・樹脂製・コンクリート製など多様な素材と形状があります。また、床暖房を設置する際に床材の厚みが変わるケースでは、隣室との高さ差を見越して施工することも大切です。段差解消は単なるデザイン処理ではなく、建築精度と施工技術が問われる領域です。

可動式・昇降式設備の活用とその導入ポイント

高低差のある住宅や敷地では、可動式や昇降式の設備を活用することで、安全性と利便性を高められます。たとえば、玄関ポーチや屋内階段に設置する「昇降機(いす式階段昇降機)」は、高齢者が階段を使わずに安全に上下階を移動できる設備として有効です。また、キッチンや洗面台の高さをボタン操作で上下させられる昇降式機器も、自立した生活を支える助けになります。車椅子ユーザーには「段差昇降機」や「ホームエレベーター」の導入も検討されており、特に新築時にはスペースと電源の確保が重要です。これらの設備は後付けも可能ですが、初期段階から想定しておくことで設計とコストのバランスを取りやすくなります。

城南区の地形や敷地条件に適した施工計画

福岡市城南区は、丘陵地帯が広がる地形上、敷地に高低差があるケースが多く見られます。そのため、バリアフリー住宅を設計する際には、まず敷地調査を徹底し、地盤レベルの違いや接道条件を確認することが不可欠です。敷地が道路より高い場合には、階段かスロープが必須となるため、動線計画に大きく影響します。また、玄関位置を半地下に設けることで段差を抑えたり、基礎高を変えてスキップフロア的に構成する手法もあります。こうした工夫によって段差を解消しながら、意匠性や敷地の有効活用も図れるのが、城南区での設計上の強みです。地域特性を理解したうえでの段差対策は、将来のリフォームや介護にも配慮した柔軟な住まいづくりにつながります。

まとめ|安全性と利便性を両立するバリアフリー設計

段差の解消は、バリアフリー住宅における最も基本的でありながら、奥の深い設計テーマです。城南区のように地形に特徴があるエリアでは、単純なバリアフリー化ではなく、敷地条件や暮らし方に応じた技術的な工夫が求められます。室内外の段差を無くすことで、移動の不安が減り、生活の自由度が高まります。また、スロープや昇降設備の導入により、高齢者や障がいを持つ方が“自分で動ける”環境が整い、自立した暮らしが実現します。段差をなくすことは単なるバリア除去ではなく、家族みんなが快適に暮らすための前向きな設計です。今後の住まいづくりでは、安全性と利便性を兼ね備えた段差解消が、住宅の新たなスタンダードとなっていくでしょう。

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